鴻蒙初開、上古の蒼茫

天は徐州に安寧を賜い、地はこれに祥和を賦す。

大海は東に屏風のように立ち、中原は西に望む。

北は斉魯に隣接し、南は淮江に連なる。

山に依り水に傍り、汴河と泗河は交わりて暢ぶ。

物産豊かで、民は富み、民は思慮深く気風は爽やか。

文采は飛び立ち、武威は赫く、王者の気象を現す。

千秋の古彭城、浩瀚なる漢文化の発祥の地。

徐州は古くは彭城と稱され、漢王朝の発祥の地であり、國家歴史文化名城です。  

6000年以上前の新石器時代、ここは先住民にとって理想的な居住地でした。禹が天下を分けた際、徐州は九州の一つとなりました。夏商時代には大彭國として栄え、周時代には徐、宋に屬し、後に斉、楚に帰屬しました。秦漢時代、西楚の覇王項羽が天下に號令し、彭城を都としました。漢代には、楚國、彭城國、下邳國がこの地に封じられました。漢代以降、徐州は中國東部の地域的政治中心、軍事の要衝、南北文化の交差點として重要な役割を果たしてきました。  

徐州は文物資源が豊富で、多くの新石器時代と商周の遺跡、大規模な両漢王侯宗室の陵墓、完全な明代の地下城及び無數の貴重な文物を持っています。それらは先祖の労作、民の安康、兵武の豪勇、王侯の豪奢を物語っています。ここで私たちは歴史に觸れ、未來を展望することができます。

第一部 東方唱暁

徐州は沂、沭、泗河の下流に位置し、魯南丘陵と蘇北平原の過渡地帯にありました。1萬年前の新沂何山頭舊石器時代遺跡では、古代人の活動の痕跡が発見されています。新石器時代のこの地域は海岱文化圏に屬し、北辛、大汶口、龍山文化の発展過程を経ており、特に大墩子、劉林、梁王城、花庁などの遺跡では先史時代の集落や墓地が発見され、黃淮流域の東夷文化の文明化の過程を共に示している。

第二部 彭暉徐曜

夏、商、周の時期は中國古代初期の國家の形成と発展の段階でした。

夏から商早期、徐州地區は東夷原住民の岳石文化の範囲でした。堯封黃帝の後裔の彭祖は大彭氏國を建てて、禹封伯益の子の若木は徐國を建てて、すべて東夷の土著民の重要な方國で、中原王朝の時と戦って、最終的に中華民族の多元一體の発展の潮流に溶け込みます。東周の時代、彭城は宋の東方の要邑で、斉、楚などの大國の侵攻を受けました。

徐州地區の多くの商周時代の集落遺跡は、この時代の多様な文化を示しています。

第三部 漢併天下

秦の始皇帝は6國を併合し、専制集権の中央帝國を建てて、彭城は県を設けました。秦の末、蜂起のあらしは全國を席巻して、西楚の覇王項王は関中に居なくて彭城、王九郡に都して、天下に號令しました。

徐州は漢の高祖劉邦の故郷で、楚漢戦爭で項羽に勝利し、西漢帝國を建國しました。子孫は「漢文化」、「漢人」、「漢學」と呼んで、この426年間続いた王朝に由來します。紀元前201年、劉邦は故郷のこの豊かな戦略的要地を異母弟の劉交に封じ、彭城を都とし、徐州を中心とする楚國が成立しました。漢代には、12代の楚王が続き、東漢時代には1代の楚王と5代の彭城王が続きました。漢代を通じて、徐州地域の政治、経済、文化は全面的に発展しました。  

第四部 鎖鑰の雄鎮

魏晉南北朝時代、政権は頻繁に変わって、徐州は南國の守りの要所、北門の鍵をとして軍事戦略上の要地になりました。西晉は三國の曹魏の建制を受け入れ、徐州刺史を置いて彭城を治めました。南北朝時代、彭城郡は「その地は南に移り北に移り、境界は定まらず」とされました。

隋唐~宋元の時代、中國の封建社會は最盛期に入りました。隋では徐州総管府が設置され、唐代には徐泗濠、武寧軍、感化軍節度使が設置されました。五代、北宋に武寧軍節度使が置かれました。至正13年(1353年)、徐州は一旦武安州と改められ、彭城県は州に編入されました。京杭運河の開通に伴い、この時期、徐州河山は鬱盤、汴泗と交流し、交通と軍事の地位はますます強化された。

第五部 歴史の河は盡きず

明清時代は中國の封建王朝のピークと最後の段階でした。徐州は、その軍事的位置から、「屹然たる重鎮」といわれています。明の永楽13年(1415)、京杭運河は開通し、「千隻萬舸、晝夜を問わず」、徐州は水運の重要な拠點として、「國家的経済と人民の生活に関わり、非常に重要である」です。

徐州城は昔から水害に苦しみ。特に明啓四年(1624年)には黃河が決壊して洪水が流れ込み、三年で城全體が土砂に埋もれてしまいました。崇禎元年、兵備道唐煥が舊城を修復しました。明初の洪武城とほぼ同じで、清代にもそれを踏襲して修繕を行い、民國時代に取り壊されました。

近年の考古學的成果により、徐州の「城下の城、府下の府、街下の街、井下の井」という重層的な都市構造が明らかになりました。